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 Mitsuo Maruhashi / 丸 橋 光 生

ヒロシマ日記の準備 / Preparations for "Hiroshima Diary"

非常食

2013

サイズ可変

被爆建築物、広島逓信病院旧外来棟被爆資料室での展示。

 

東日本大震災とそれが引き起こした様々な事態や出来事をみて気付いたことは、「人は見たいものを見る」ということであった。私は震災や原発事故についてネットなどで様々な情報を得ようとしていたが、ある時これほどの未曽有宇の災害を目にし、それが自分たちにも起こる可能性があることを知ってなお、私はそれについて備えをなにも始めていないということに気づき愕然とした。私は震災に衝撃を受けながらも、自分に都合の悪い「自分が被災者になる可能性」に目をむけずにいたのだった。

この作品は、広島に原爆が落とされた際、被災者の治療現場となった広島逓信病院旧外来棟で展示をされた。「ヒロシマ日記」とは当時この病院の院長で被災者の治療にあたった蜂谷道彦氏が、被爆当時のメモをもとにその時の様子を日記調に記した書籍でのことである。私達がこのような歴史の資料を見ることは大変意義のあることだが、それはしばしば過去の出来事としてどこか安全な場所から眺めているようにも思える。原爆の資料が展示されている広島逓信病院旧外来棟資料室に、非常食や医療品をな並べ、過去の出来事と地続きの世界を私達が生きていることを示そうとした。